NuMicro® M261 / M262 / M263 シリーズは、Armv8-M アーキテクチャの Arm® Cortex®-M23 コアをベースにした低消費電力のマイクロコントローラプラットフォームです。最大 64 MHz で動作し、OTA（Over-The-Air）ファームウェアアップデートをサポートするデュアルバンクモードの 512K バイトの組み込みフラッシュメモリと 96K バイトの組み込み SRAM を備えています。また、1.8～3.6V の低電源電圧と - 40 ～ 105 ℃ の動作温度範囲に対応しています。

低消費電力と堅牢なセキュリティは、Internet-of-Things（IoT）アプリケーションの 2 大要素です。NuMicro® M261 / M262 / M263 シリーズは、パワーダウンモード（PD）、高速ウェイクアップパワーダウンモード（FWPD）、低リークパワーダウンモード（LLPD）、超低リークパワーダウンモード（ULPD）、スタンバイパワーダウンモード（SPD）、ディープパワーダウンモード（DPD）など、多様な動作シナリオに対応したマルチ電源モードを提供します。また、NuMicro® M261 / M262 / M263 シリーズは、独立した VBAT 電圧源ピンを持つ RTC を内蔵しており、主電源をオフにし VBAT のみを使用したローパワーモードに対応しています。NuMicro® M261 / M262 / M263 シリーズの消費電力については、通常ランモードで 97 μA / MHz（LDO モード）、45 μA / MHz（DC-DC モード）、スタンバイパワーダウンモードで 2.8 μA、VBAT なしのディープパワーダウンモードで 2 μA 未満となっています。低消費電力、広い電源電圧、高速ウェイクアップ機能を備えているため、バッテリー駆動の IoT アプリケーションに適しています。

NuMicro® M261 / M262 / M263 シリーズは、システム開発者がマイクロコントローラで安全な実行システムを構築するために、セキュアブート機能を提供します。セキュアブートは、システム上の各ソフトウェアのアイデンティティとインテグリティを検証するためのセキュアプロセスです。セキュアブートは、開発者によって信頼されたソフトウェアのみを使用してデバイスが起動することを確認するのに役立ちます。MCU が起動すると、ファームウェアがブートソフトウェアの署名をチェックし、署名が有効であれば MCU は起動し、ファームウェアは OS に制御を委ねます。そうでない場合は、システムはまったく実行されません。

NuMicro® M261 / M262 / M263 シリーズは、重要なプログラムコードを保護するために、4 領域のプログラム可能な eXecute-Only-Memory ( XOM ) を提供します。また、AES 256 / 192 / 128 ハードウェアアクセラレータと True Random Number Generator ( TRNG ) を内蔵し、データ暗号化を実現しています。ハッカーによる悪意のある被害を防ぐため、最大 6 つのタンパー検出ピンが実装されています。96 bit Unique Identification ( UID ) と 128 bit Unique Customer Identification ( UCID ) を搭載し、製品の安全性を高めています。

NuMicro® M261 / M262 / M263 シリーズは、最大 6 本の I / O ピンを内蔵し、1.8 ～ 3.6V の第 2 I / O 電圧をサポートし、外部デバイスとの接続時にレベルシフター部品を節約することができます。

NuMicro® M261 / M262 / M263 シリーズは、SD メモリーカード仕様バージョン 2.0 に準拠したセキュアデジタルホストコントローラー（SDHC）を 1 セット統合しています。50 MHz をサポートし、3.3V 動作で 200 Mbps を達成し、Scatter-Gather 機能付きの専用 DMA マスターにより、システムメモリと SD / SDHC / SDIO カード間のデータ転送を加速させます。

NuMicro® M261 / M262 / M263 シリーズは、タイマー、ウォッチドッグタイマー、RTC、PDMA、外部バスインターフェース（EBI）、低消費電力 UART、ユニバーサルシリアルコントロールインターフェース（USCI）、クアッド SPI（Q SPI）、SPI / I²S, I²C, スマートカードインターフェース（ISO-7816-3）、GPIO、最大 24 チャンネルの PWM などの多くの周辺機器を備えているので、総合外部モジュールと LED 照明制御をつなぐために非常に適しています。NuMicro® M261 / M262 / M263 シリーズは、16 チャンネルの 12 ビット 3.76 MSPS SAR ADC、2 つの 12 ビット 1 MSPS 電圧タイプ DAC、2 つのレール to レールアナログコンパレータ（ACMP）、温度センサ、低電圧リセット（LVR）、ブラウンアウト検出（BOD）などの高性能アナログ前置回路ブロックも統合して、製品の性能を高め、外部部品とフォームファクターを低減しました。

NuMicro® M262 シリーズは、すべて NuMicro® M261 シリーズをベースにしており、USB 2.0 Full Speed On-The-Go ( OTG ) トランシーバーを統合し、USB OTG Supplement 2.0 に準拠、ホストのみ、デバイスのみ、ID 依存として構成可能です。また、 USB 1.1 ホストコントローラおよび USB 2.0 フルスピードデバイスコントローラも統合されています。NuMicro® M262 シリーズはクリスタルレス機能をサポートしており、外付けの水晶振動子を使用せずに USB プロトコルに必要な正確な周波数を生成できるため、BOM コストと PCB サイズの両方を削減することができます。

NuMicro® M263 シリーズは、すべて NuMicro® M262 シリーズをベースにしており、1 セットの CAN 2.0B コントローラをサポートし、ビットレートは最大 1 MBit/s までプログラム可能です。この CAN バスは、PinConfigure によって 6 つのペア I / Os のうちの1つに設定することができます。

NuMicro® M261 シリーズはクラシックな IoT ノードデバイスに、NuMicro® M262 シリーズは USB ホスト/デバイスに接続してデータ転送に、NuMicro® M263 シリーズはデータ通信に CAN バスを必要とする産業および自動車アプリケーションに適している。

NuMicro® M261 / M262 / M263 シリーズには、合計で 9 つの製品パーツナンバーがあります。NuMicro® M261 / M262 / M263 シリーズのパッケージタイプは、QFN33（5 mm x 5 mm）、LQFP64（7 mm x 7 mm）、LQFP128（14 mm x 14 mm）。同じパッケージでピン互換性があるため、製品の機能と性能を簡単に最適化することができます。

Nuvoton NuMaker M261 / M262 / M263 評価ボード ( NuMaker-M263KI ) と Nu-Link デバッガは、評価や製品開発のために利用できます。また、GNU GCC コンパイラを搭載した Keil MDK、IAR EWARM、NuEclipse IDE などのサードパーティ製 IDE もサポートされています。

ターゲットアプリケーション:

• スマートホーム／スマート家電／スマートドアロック
• 産業制御 / 産業オートメーション
• スマートシティ施設／セキュリティアラームシステム
• IoT デバイス／ワイヤレスセンサノードデバイス／通信モジュール
• 電子決済
• ポータブルワイヤレスデータコレクター
• ハンドヘルド医療機器

主な特徴: